概要
背骨や関節の痛み・変形、手足のしびれ・痛みを生ずる疾患を治療する診療科です。具体的には椎間板ヘルニア、頚部・腰部脊柱管狭窄症、変形性関節症、リウマチ、骨折、脱臼などの治療を行います。
美濃病院の整形外科は平成14年に1人の常勤医から始まり、平成15年には2人、平成17年には3人体制となりました。その間平成15年7月に新病院へ移転となり、外来・入院患者数および手術件数は年々増加してきています。
対象疾患は高齢者が多いため、主な対象疾患としては膝や股関節などの変形性関節症、腰痛・頚部痛、手足の痛み・しびれを生ずる頚や腰の疾患、関節リウマチ、骨粗鬆症に伴う脊椎圧迫骨折や大腿骨頚部骨折などです。
手術室にはクラス100のクリーンルームが設置されています。
クリーンルームとは手術室における空気中の細菌が手術部位に入るのを防ぐための空気浄化装置の備わった手術室で、手術時の感染予防に対して大きな役割を果たしています。
整形外科では人工関節置換術や脊椎固定術、骨折に対して金属を体内に挿入する手術が数多く行われます。特に人工関節置換術では術後感染を防止することは極めて重要なことです。
当科では腰痛、坐骨神経痛、手足のしびれなどの症状をもった患者さんが多く、これらの多くは頚や腰の疾患が原因となっています。通常は薬や注射にて症状が改善しますが、改善しなければ手術を必要とする場合があります。手術用顕微鏡が常時置いてあるため、脊椎手術への対応が容易になりました。
これからも合併症の少ない体に優しい手術を心がけたいと思います。
スタッフ
診療部長大橋 稔
医師西村 康平
医師平松 正弥
医師坂口 康道
リウマチ・関節外科外来
関節リウマチは複数の関節の腫れと痛み、こわばりなどの関節症状を主体とし、肺・腎臓・皮膚などに病変を伴う自己免疫が関与する全身性炎症疾患です。
早期診断と早期治療開始が重要です。 症状と血液検査、レントゲン検査、時にはMRI検査を総合的に判断して診断、治療を行います。 肺や腎臓などの病変を合併している場合は内科医と連携して治療を行います。治療は薬、手術、リハビリが3本柱になります。
薬は既存の抗リウマチ薬に加えて当科でも生物製剤(レミケード、エンブレル)による治療を開始しました。
手術は炎症が強い関節に対して滑膜切除術を、骨破壊が進行した関節に対しては人工関節置換術や関節形成術を行っています。
また、術後や日常生活の機能維持のためにリハビリも重要です。 変形性関節症に対しては保存的治療としてリハビリ(特に筋力訓練)、関節注射を行い、手術治療としては主に膝関節に対して関節鏡視下手術を、股関節や膝関節の重症例には人工関節置換術を行っています。 関節の腫れや痛み、こわばりなどでお悩みの方は、お気軽にご相談下さい。
脊椎外科外来
腰部脊柱管狭窄症
高齢化社会に伴い、加齢変化による整形外科の疾患が増えています。腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)はその代表的な疾患です。 腰椎の神経の通り道(脊柱管)が、増殖した骨や肥厚した靭帯(じんたい)によって狭くなり、神経が圧迫されて生じる疾患です。
症状は下肢のしびれや痛み、またこれらの症状により長く歩けなくなります。 症状が軽ければ鎮痛剤、ビタミン剤、血流改善剤や生活指導にて改善できます。 また、下肢痛が主体の場合は神経ブロックなどの注射の適応になります。これらの治療で効果がないか下肢の麻痺、排尿障害が現れた場合には手術にて神経の圧迫を取り除きます。
頚椎症性脊髄症
頚椎(けいつい)の加齢変化に伴って脊髄(せきずい)が圧迫されて手足のしびれや運動障害を来す頚椎症性脊髄症に対しては脊髄の圧迫を取り除く、椎弓形成術を行います。 また、腰椎がずれたり曲がったりする、腰椎すべり症や腰椎変性側彎(ようついへんせいそくわん)に対しては金属を用いた脊椎固定術を適応することがあります。 美濃病院では大部分の脊椎手術に対して手術用顕微鏡を用いており、体に負担の少ない術式を選択しています。
手足のしびれ、腰痛などでお悩みの方は、脊椎外科外来へお気軽にご相談下さい。