概要

整形外科は、骨折、脱臼、腱損傷などの外傷や、背骨や関節の痛み・変形、手足のしびれ・痛みを生じる疾患を治療する診療科です。
美濃病院の整形外科は平成14年に1人の常勤医から始まり、平成15年には2人、平成17年には3人と徐々に人員を増やし、令和8年4月からは、常勤医3人、非常勤医1人の4人体制で診療にあたっています。
対象疾患は高齢者が多いため、主な対象疾患は、骨粗鬆症に伴う大腿骨近位部骨折、橈骨遠位端骨折、上腕骨近位部骨折、脊椎圧迫骨折や、膝や股関節などの変形性関節症、腱板損傷などの肩関節疾患、腰痛・頚部痛、手足の痛み・しびれを生ずる頚や腰の疾患、関節リウマチなどです。
人員の増加に伴い、手術件数も増加傾向にあり、外傷の手術も増えています。美濃関地域の患者さんはできるだけ当院で手術できるように、さらに体制を整えていきたいと考えています。
手術室にはクラス100のクリーンルームが設置されています。
クリーンルームとは手術室における空気中の細菌が手術部位に入るのを防ぐための空気浄化装置の備わった手術室で、手術時の感染予防に対して大きな役割を果たしています。
整形外科では人工関節置換術や脊椎固定術、骨折に対して金属を体内に挿入する手術が数多く行われます。特に人工関節置換術では術後感染を防止することは極めて重要なことです。
当科では腰痛、坐骨神経痛、手足のしびれなどの症状をもった患者さんが多く、これらの多くは頚や腰の疾患が原因となっています。通常は薬や注射にて症状が改善しますが、改善しなければ手術を必要とする場合があります。手術用顕微鏡も使用し安全に手術を行っています。
これからも合併症の少ない体に優しい手術を心がけたいと思います。
スタッフ
診療部長大橋 稔
医師平松 正弥
医師太田 雄紀
医師坂口 康道
外傷外科
当院は近隣のクリニックと連携し、外傷患者さんのうち手術が必要な患者さんを紹介してもらい適切に治療できるようにしています。救急外来も徐々に体制を整えており、今後さらに多くの患者さんを治療できるようにしていきます。高齢者に対しても、手術でできるだけ強固な固定性を確保し早期荷重歩行を可能にし、できる限り受傷前の機能を回復できるように取り組んでいます。関節周囲の重度の外傷に対しても、創外固定など用い適切に対応するよう心がけています。
関節外科
変形性関節症は、加齢に伴い関節軟骨が変性し破壊され、痛みを伴う疾患です。注射療法、筋トレなどのリハビリで軽快しない場合は、関節のアライメントを整える骨切り術、半月板縫合などの関節鏡手術、人工関節などの手術を行います。近年は、片側のみ置換する人工膝関節置換術も行っており、周術期の負担を軽減し機能予後も改善できています。ただし、変形が高度になると全置換をすることになりますので、早めの受診が重要です。いわゆる四十肩の中には、腱板損傷などの疾患が隠れていることも多く、反復性脱臼などの疾患と合わせ、関節鏡手術の対象となる場合もあります。それらの手術もある程度当院で対応できますので、ご相談ください。
関節リウマチは複数の関節の腫れと痛み、こわばりなどの関節症状を主体とし、肺・腎臓・皮膚などに病変を伴う自己免疫が関与する全身性炎症疾患です。早期診断と早期治療開始が重要です。 症状と血液検査、レントゲン検査、エコー検査、時にはMRI検査を総合的に判断して診断、治療を行います。 肺や腎臓などの病変を合併している場合は内科医と連携して治療を行います。治療は薬、手術、リハビリが3本柱になります。薬は既存の抗リウマチ薬に加えて生物製剤による治療も行っています。手術は炎症が強い関節に対して滑膜切除術を、骨破壊が進行した関節に対しては人工関節置換術や関節形成術を行っていますが、薬物療法の成績が上がり、リウマチの手術件数は減少傾向です。
脊椎外科
腰部脊柱管狭窄症
高齢化社会に伴い、加齢変化による整形外科の疾患が増えています。腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)はその代表的な疾患です。 腰椎の神経の通り道(脊柱管)が、増殖した骨や肥厚した靭帯(じんたい)によって狭くなり、神経が圧迫されて生じる疾患です。
症状は下肢のしびれや痛み、またこれらの症状により長く歩けなくなります。 症状が軽ければ鎮痛剤、ビタミン剤、血流改善剤や生活指導にて改善できます。 また、下肢痛が主体の場合は神経ブロックなどの注射の適応になります。これらの治療で効果がないか下肢の麻痺、排尿障害が現れた場合には手術にて神経の圧迫を取り除きます。
頚椎症性脊髄症
頚椎(けいつい)の加齢変化に伴って脊髄(せきずい)が圧迫されて手足のしびれや運動障害を来す頚椎症性脊髄症に対しては脊髄の圧迫を取り除く、椎弓形成術を行います。 また、腰椎がずれたり曲がったりする、腰椎すべり症や腰椎変性側彎(ようついへんせいそくわん)に対しては金属を用いた脊椎固定術を適応することがあります。 美濃病院では大部分の脊椎手術に対して手術用顕微鏡を用いており、体に負担の少ない術式を選択しています。
手足のしびれ、腰痛などでお悩みの方は、当院外来へお気軽にご相談下さい。
