意思決定支援

在宅医療支援センターは、病院と地域をつなぐ連携の窓口としての役割を担っています。
施設との入退院調整も私達の役割です。

先日地域の障害者施設から誤嚥性肺炎でKさんが入院してきました。脳性麻痺のため身体が不自由で言葉を発することも出来ないKさんは、誤嚥性肺炎で入退院を繰り返し、今後生きていくためには気管切開とCVポートしかない・・・という話が主治医から家族になされました。
家族から「意思疎通ができないと思われていますが、補聴器をつければちゃんと聞こえます。以前彼は延命はしてほしくない、と言っていました。本人に聞いてあげて下さい。」と希望がありました。
Kさんにわかるように紙にひらがなで大きく文字を書き、目の前に掲げました。
「これから大事な話をします。長生きをしたいですか、自然に生きていきたいですか」
長生きをするため必要なこと、自然に生きていくということはどういうことか、わかりやすく丁寧に説明しました。話を終えてもう一度たずねました。
「自然に生きたい」右手がかすかに挙がりました。
「わかりました。皆でKさんの望む生き方を支援しますね。」搾り出すような声と右手がまた挙がりました。
傍らで涙しながらご家族も同意されました。

意思疎通困難と思われていたKさんが、自分で自分の「これから」を決めた瞬間でした。
Kさんの意思を聞けてよかった。周りに居た誰もがそう感じたと思います。
主治医はその答えを聞いて、Kさんの意思を尊重した治療方針に切り替えてくれました。

Kさんと約束したように、彼が望む生き方を看護師として最期まで支えていきたいと思います。

以上、在宅医療支援センターの看護師ハチドリがお伝えしました。
最後まで読んでいただきありがとうございました♪